「ソムリエ松野のワインのお話PART14」
2024/06/17
「ソムリエ松野のワインのお話PART14」
本日より4回に渡り「ワインを識る」という
テーマで書かせていただきます
第一章[いいワインとは何か?]
役10年前にデパートで定期的に
ワインスクールを行っていた時のこと
「高級なワインは美味しいのですか?」
という質問を頂きました
明確で説得力のある答えは簡単ではありません
逆にその時の受講者の方々に私から聞き返しました
「いいワインとは何ですか?」
「高価なワイン」「希少なワイン」「熟成したワイン」
「偉大な畑や作り手によるワイン」
どの意見も間違いではなく
高級=いいワインでまとめる事ができます
しかしそうでしょうか?
全ての生産者が高級ワインを
造っているのでしょうか
むしろ一部の5%未満の生産者が
高級ワインを造っています
ロマネコンティのヴィレーヌオーナーは
ロマネコンティが贈答用のワインになってしまったことを憂い
逆に内緒で数千円のワインを造っていました
(最近はもうバレてしまいましたが)
ではいいワインとは何か
私の考えを言います
①産地の個性が強くあること
その地域でしかない味わいがある
ブルゴーニュだから高いわけではなく
ブルゴーニュの個性を持ってるから高いのです
②熟成する
ワインは若い状態では閉じており
味わう時期によりその個性に違いが出ます
それが熟成です
③料理と合う
どの地域にも郷土料理があり同じ空気を
吸ったワインがあります
そのワインは大変に美味しく調和するので
なんとなく美味しいのではなく
素晴らしい相性になります
④ストーリーがある
つまり歴史.文化.習慣.逸話などが
ボトルに詰まっている
ボトルを前にしたらワクワクする
今年に入りヴィーニ・ディ・アライに伺った時
「何が飲みたい?」と聞かれたので
最高の調味料は思い出です
初めてカンパイしたローマで造られる
「EST!EST!!EST!!! デルべズービオ」をと言いました
荒井さんの答えは「安すぎて置いてないわ!」でした
2000円程度のワインです
購入して飲みます
流石東京の一流店、同じ様なローマのワインを開けて頂きました
ありがとうございます
ソムリエ松野